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女性の方

尿失禁や頻尿など、トイレの不安から旅行や外出を控えたり、
恥ずかしいからと誰にも相談できず悩んだりしていませんか?
泌尿器科は男性のイメージが強く、女性にとって受診しづらいかもしれませんが、
女性ならではの排尿のお悩みは、比較的簡単な検査と治療によって改善、解消できます。

女性の方へ

女性特有の主な疾患

女性ならではの泌尿器の疾患をご紹介します

尿失禁(尿漏れ)

恥ずかしい、他人に知られたくないという気持ちから、悩みを一人で抱え込みがちですが、尿漏れは成人女性の3人に1人は経験がある一般的な症状です。その原因によって治療方法も異なるため、的確な対処方法を見つけるために、ぜひ受診してください。

症状

女性は、膀胱や尿道などを支える骨盤底筋の力が男性よりも弱く、尿道も短いことが特徴です。そのため、加齢だけでなく、お腹に力がかかるような動作や出産や便秘などの骨盤底筋への負担が原因となり、尿漏れが起こります。
その症状は、原因によって少しずつ異なります。

症状
腹圧性尿失禁
咳やくしゃみ、笑う、走る、荷物を持ち上げるなど、腹圧がかかったときに、少しずつ尿が漏れます。加齢や出産によって、膀胱などを支えている骨盤底の筋肉が緩み、尿を止めておくための筋肉も緩んでしまうことが大きな原因です。
切迫性尿失禁
水や冷たいものに触れたときなど、急激に強い尿意を感じ、我慢できずに尿が出てしまう症状です。加齢や脳梗塞・脳出血などの神経障害などにより、膀胱をコントロールできていない(勝手に縮む)ことが原因として挙げられます。
溢流性尿失禁
尿意がはっきりしないなど、自分では気づかないうちに膀胱が尿でいっぱいになり、溢れるようにして尿が漏れる症状です。膀胱の感覚が鈍くなることが原因であり、直腸や子宮など膀胱周辺を手術した影響が挙げられます。
検査

当院では、以下のような検査を行います。
いずれも痛みもなく、心身に負担なくできるものですので、ご安心ください。

尿検査
尿の成分を調べ、尿路感染症の有無などを調べます。検査機器について→
超音波検査
尿道の過可動や骨盤底筋の動き、排尿後の尿量を調べます。検査機器について→
尿流量測定
排尿の勢いと時間を測ります。検査機器について→
治療

・腹圧性の場合は、主に骨盤底筋トレーニング(骨盤まわりの筋肉を鍛える体操)によって症状が改善します。
・切迫性の場合は、膀胱の収縮を抑えて緊張をやわらげる内服薬による治療が効果的です。

過活動膀胱

膀胱に貯まった尿は、ある一定以上になると尿意(尿をしたい感覚)を生じ、膀胱の筋肉が収縮することにより排尿します。過活動膀胱は、この排尿システムが正常に働かず膀胱が敏感になり、尿を貯められない、急に膀胱が収縮して失禁をしてしまう状態です。近年、この症状に悩まされる方が増加しており、若い女性にも少なくありません。

症状

膀胱の排尿する活動が過剰になっており、尿が十分に貯まっていないうちに勝手に膀胱が排尿してしまいます。そのため、以下のような症状が起こります。

症状
  • いきなりトイレに行きたくなり、我慢できない
  • 夜就寝してから朝までに、2回以上トイレに起きる
  • 水を触ったり、水の音を聞くだけで尿意が起きる
  • 日中、トイレが2時間以上もたない
検査

膀胱炎や膀胱腫瘍の可能性もあるため、それらの確認も含めて以下のような検査を行います。
いずれも痛みがなく、心身に負担なくできるものですので、ご安心ください。

尿検査
尿の成分を調べ、尿路感染症の有無などを調べます。検査機器について→
超音波検査
排尿後の尿量、膀胱や腎臓の状態を調べます。検査機器について→
治療

尿を貯めやすくするよう膀胱に働きかける内服薬治療が主流です。多くは、約1週間~1か月で効果が表れます。
さまざまな種類の内服薬から、症状に合わせたものを使用いたします。

膀胱炎

細菌が尿道から膀胱に侵入し、細菌感染によって膀胱の粘膜に炎症が起きた状態です。女性は身体構造的に、尿道が短く、細菌のいる膣や肛門が尿道に近いため、膀胱炎になりやすい傾向があります。ストレスや疲労、ダイエットなどで体力が落ちたり、トイレを我慢しつづけたりすると発症しやすくなります。

症状

主に、以下の3つの症状が挙げられます。

  • 排尿時に差し込むような痛みが生じ、排尿の終わりに特に痛みが強くなる
  • トイレの回数が増え、30分~1時間ごとに行きたくなることもある
  • 尿が白く濁ったり、血が混じることがある
検査

主に、尿検査によって感染の有無を確認します。

検査機器について→
治療

治療には、抗菌薬が用いられます。一般的に3~4日の服用で症状は改善します。水分を多めに摂取して尿量を増やし、こまめに排尿することも大切です。